日本内科学会雑誌
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脾梗塞を認めた本態性血小板血症の1例
青山 庄牧野 博寺田 康人高桜 英輔
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1988 年 77 巻 3 号 p. 394-398

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抄録

本態性血小板血症に脾梗塞の合併が加わり,高度の血小板増加を認めた1例を報告する.症例は, 48才,男性.主訴は,左背部痛.既往歴は,一過性脳虚血発作.入院時,血小板数は92.7×104/mm3と著しい増加を認め,末梢血および骨髄所見等より本態性血小板血症と診断.一方, CT scanと脾動脈造影では,軽度脾腫と脾動脈の上終動脈に閉塞を認め,脾の約75%領域の脾梗塞と考えた.第23病日には,血小板数は190×104/mm4と一段と増加したので, throm-bocytopheresisを施行し,血小板数の改善をみた.本態性血小板血症に脾動脈塞栓による脾梗塞を合併することはきわめてまれで,このような例にthrombocytopheresisが有効である可能性が推測された.

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